この研究は、慢性血栓塞栓性肺高血圧症の患者の肺内動脈の血流力学を計算流体力学を用いて評価し、肺内血栓内視鏡的血管形成術前後の変化を比較したものです。研究によると、慢性血栓塞栓性肺高血圧症の患者では、肺動脈内の血流速度と壁面せん断応力は対照群よりも有意に低下し、振動せん断指数と血流滞留量は対照群よりも有意に増加していました。しかし、肺内血栓内視鏡的血管形成術や肺動脈バルーン血管形成術によって、肺血流の再分布や血流滞留の減少が見られ、肺動脈内血流力学が改善されました。

Hideo Tsubata, Naohiko Nakanishi, Keiichi Itatani, Masao Takigami, Yuki Matsubara, Takeshi Ogo, Tetsuya Fukuda, Hitoshi Matsuda & Satoaki Matoba , "Pulmonary artery blood flow dynamics in chronic thromboembolic pulmonary hypertension", Scientific Reports, 13, 6490 (2023) 10.1038/s41598-023-33727-6.