生体肝移植後に門脈吻合部狭窄を生じ肝障害などを引き起こすことが知られています。肝移植後に門脈狭窄を発症した33歳の女性に対しステント治療前後に4D-Flow MRIを施行し、門脈のflow patternと各門脈枝における血流量を解析しています。
ステント留置前では、門脈血流の減少および各門脈枝血流量の不均一性が観察されました。ステント留置後ではこれらの所見の改善をが認められました。4D-Flow MRIにより門脈血流を評価した初めての症例報告になります。 これまで門脈系の血行動態評価は血管造影か門脈造影によって行われてきました。
4D-Flow MRIを用いることで、非侵襲的に門脈血流の血行動態を評価し治療計画および介入に役立つ可能性があります。

Ryota Hyodo, Yasuo Takehara, Takashi Mizuno, Kazushige Ichikawa, Yasuhiro Ogura, and Shinji Naganawa, "Portal Vein Stenosis Following Liver Transplantation Hemodynamically Assessed with 4D-flow MRI before and after Portal Vein Stenting", Magnetic Resonance in Medical Sciences , Published Online (2020) 2020-0057.