Discordances in Kinetic Energy Between the Superior Cavopulmonary Connection and Single Ventricle Are Associated With Suboptimal Fontan Outcomes: A Pre‐Fontan 4‐Dimensional Flow Study(上大静脈肺動脈吻合部と単心室間の運動エネルギー不一致と、フォンタン治療結果の転帰不良の関連性について:上大静脈肺動脈吻合部と単心室の間の運動エネルギーの不一致と、フォンタン治療結果のと転帰不良の関連正について: フォンタン術前の4Dフロー研究)
機能性単心室(SV)を有する患者は、上大静脈肺動脈吻合術(SCPC)からフォンタン手術への段階的緩和後に転帰不良となる危険性がある。現在、心臓MRIや心臓カテーテル検査によるフォンタン手術前の評価方法には、房室弁逆流、大動脈肺動脈側副負荷、圧力測定が含まれる。4D flowは、血行動態の非効率性を表す複雑な流れを定量化することができる。この研究は、4D flowを用いて、フォンタン術前の患者における運動エネルギー(KE)と粘性エネルギー損失の臨床的意義を明らかにした。
これは、同日にフェルモキシトール増強心臓MRIとカテーテル検査を受けたフォンタン手術前の患者の後ろ向き解析である。iTFlow (Cardio Flow Design)を使用し、心房、SV、SCPCにおけるKE/粘性エネルギー損失の計測のため、4D flowデータセットの解析を行った。複合転帰は、フォンタン手術不承認、長期入院、リンパ管機能障害、心不全で定義された。これらの転帰とKE/粘性エネルギー損失の関係は、適宜、二変量ロジスティックおよび多変量ロジスティック回帰分析により評価した。65例(3.9±1.5歳、0.64±0.1m2)を対象 とし、50例(77%)がフォンタン手術に進み、入院期間中央値は8.5日(四分位範囲、7〜12.7日)であった。26例(40%)が複合転帰を経験し、うち9例が手術不承認となった。SCPC流量の減少は転帰と相関関係があることが分かった。(P=0.042)。一方、SVとKEが高く、SCPCKEが低いことは、複合転帰と独立して関連していることが分かった。(オッズ比、3.63[95%CI、1.32-13.2];P=0.0263;オッズ比、0.906[95%CI、0.814-0.980];P=0.0377)。SVとKEが高く、SCPCとKEが低いことは、著しい房室弁逆流、大動脈肺動脈側副動脈の負担増加、カテーテル圧の上昇に関連してることが分かった。
4D flow解析はSVの血行動態に関する洞察を提供し、短期的な転帰と関連している。今後の研究では、フォンタン手術を受ける患者に対する長期的影響について分析する予定である。
Reference
Jacqueline Contento, Mithra Agamy, Maren Brinken, Ryan O'Hara, Nicholas Mouzakis, Janet Kruetzer, Rittal Mehta, Roland Axt‐Fliedner, Elias Balaras, Francesco Capuano, Ravi Vegulla, Yves d'Udekem, and Yue‐Hin Loke, "Discordances in Kinetic Energy Between the Superior Cavopulmonary Connection and Single Ventricle Are Associated With Suboptimal Fontan Outcomes: A Pre‐Fontan 4‐Dimensional Flow Study(上大静脈肺動脈吻合部と単心室間の運動エネルギー不一致と、フォンタン治療結果の転帰不良の関連性について:上大静脈肺動脈吻合部と単心室の間の運動エネルギーの不一致と、フォンタン治療結果のと転帰不良の関連正について: フォンタン術前の4Dフロー研究)", Journal of the American Heart Association, Volume 14, Issue 8 (2025) https://doi.org/10.1161/JAHA.124.037949.
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