患者様・ご家族の方へ
成人先天性心疾患 (ACHD) の患者さんは今や決して珍しい病気ではなく、日本国内でも60万人程度いて毎年1万人ずつ増えているとされています。このため10年以上前から日本でも新聞などの一般メディアでも患者さんの受皿の不足が騒がれ、まだまだ十分とは言えないかもしれませんが多くの医療機関が対応するようになってきました。がんや心臓血管疾患などの頻度のたかい病気で患者さんが医療機関をセカンドオピニオンなどで選ぶように、ACHDも専門的な検査や診療を提供してもらえそうな医療機関を患者さんが選択することは健全な形だと考えられます。一方で、ACHDは小児期の治療を行ったこども病院や小児科の先生方がいつまでも診察を続けられるわけではなく、次から次へと生まれて来る命に注力しなければなりません。体も大きく成人病にもなるので、成人の内科や外科で診ていく必要が出てきます。これを『移行医療』と言います。特に先天性心疾患で生まれたお子様が社会人として就職したりご結婚されたりして親元を巣立つ時などをきっかけに今後どのような危険があるのか、追加の治療が将来必要になることがあるのか、等を十分な情報をもって移行医療を済ませることは安心した社会生活を送るうえで重要なことです。
この相談室では「今の通院のままで大丈夫なんだろうか?もっと詳しい検査などがあるのだろうか?自分には必要なのだろうか?」とか「いつか追加の治療を行わないと突然具合が悪くなるようなことがあったりするのか」とか「どういう専門的な診察がどこで受けられるのか」などといった希少疾患ならではの疑問を抱かれると思います。ACHDは近年では成人式を迎える前でも思春期から学校生活や進学や就職への不安を抱える方も多いため、近年はより早期からAYA世代(adolescent and young adult)から考えることが少なくなく、若いうちから患者さんに自分の病気に興味をもって頂き、できる範囲で少しでも自立しようとすることも時に患者さんにとって病気と向き合って生きて行く前向きな動機ともなりえます。
成人先天性心疾患の患者さんたちは複雑な解剖に生まれ修復手術を数度受けることもまれではなく、こどもの頃は何の問題もなくても、数十年たって心機能や弁や血管などの問題が積み重なることもあります。一方で心臓手術の歴史はまだ浅く、十分な診療エビデンスがなく、このため一人一人の患者さんが一人一人異なる問題を抱えていると言っても過言ではありません。
板谷医師は日本でも最も早期からACHDの外科手術に注力してきた心臓外科医で、過去に複数の政令指定都市で成人先天性心疾患センターを立ち上げ、その外科医療と血行動態の問題に尽力してきました。そしてこの度、より大きくてより広い患者さんの受皿を構築するべく、順天堂大学心臓血管外科に赴任しました。本相談室では、「どのような疾患でどのようなタイミングでどのような専門的な検査が考えられるか」とか「将来追加治療が必要ならどれくらいのタイミングでどのような治療を考えるのが妥当で、就労や生活がどのように変わると考えられるか」などと言ったACHDでの病態を専門的見地からご相談をお受けすることが可能です。
成人先天性心疾患での再手術について
成人先天性心疾患では小児期に修復した心臓弁や血管に再治療が必要になったり、成長とともに不整脈や心不全になり、治療が必要になることもあります。時には何度目かの再開胸手術になることもあり難易度もリスクも高くなります。
これらの手術加療においては生命の危機にあるような緊急の患者さんだけではなく、日常生活や仕事の中で疲れやすさや動悸を自覚する場合に必要になることも稀ではありません。就労や運動、女性の場合には妊娠出産にともなう心臓の負担に耐えられるように適切な時期に手術を受けることは大切なことです。
しかしながら、このような成人期先天性心疾患での心臓手術は極めて高度なために日本を含む先進国の中でもこのような手術治療を行っている病院は決して多くはないのが実情です。板谷医師はこのような疾患に特化した心臓外科医で、豊富な手術実績を有し、複雑な解剖のいかなる病態にも治療にあたってきました。過去には下記のような先進的な手術を行ってきました。このオンライン相談室ではセカンドオピニオン等を受けようか、手術を受けるならいつどこで受けるのがいいか、等で悩んでいる方の相談に乗ることができます。下記がこれまで板谷医師が専門的に行ってきた手術内容です。
- ファロー四徴症などで弁付きパッチなどを使って修復をした患者さんの肺動脈弁生体弁人工弁置換手術やその他の心臓弁や不整脈との同時手術
- ファロー四徴症などで右室流出路弁付き人工血管を用いた修復(ラステリ手術)後の再手術
- 先天性心疾患手術後の大動脈弁、大動脈基部動脈瘤での手術(自己弁温存、人工弁置換)
- 先天性の房室弁に対する形成手術や弁置換手術
- 単心室修復手術後(フォンタン手術後)の血流の破綻や不整脈に対する再手術
- 体心室右心不全に伴う両心室ペーシングや房室弁逆流に対する手術
- エプスタイン奇形などの三尖弁疾患に対する弁形成や弁置換手術
- 肺高血圧や心臓弁膜症を伴う心臓に穴のある疾患(心房中隔欠損、心室中隔欠損、房室中隔欠損、肺静脈還流異常症など)における内服治療と複合手術加療
- 動脈管開存症や大動脈縮窄症における大動脈弓手術およびその再手術
- 先天性冠動脈疾患に対する冠動脈修復手術や冠動脈バイパス手術
先進的な血流解析研究について
このような複雑な手術は単なる手術経験の蓄積だけでは難しいことも多く、そもそも成人先天性心疾患では経験やデータの蓄積が不十分でまだ解明されていないことはたくさんあるとされています。板谷医師は世界に先駆けて血流解析という心臓や血管の中での血流を可視化し、シミュレーションする方法を開発してきました。血流解析は先進的な医学研究の一つですが、適切な診療と組み合わせることで、一人一人の患者さんの心臓の問題点を包括的にアセスメントし、また入念な治療のプランニングを行うことが可能になります。
これらの情報は複雑な解剖の先天性心疾患の心機能や血行動態の問題を紐解くには重要な役割を担います。手術にならなくても、先天性心疾患での心機能や血行動態を手に取るように把握する先進的な4Dイメージングで検査を行い、心臓や血管の状態に何の問題もないことが分かれば安心して生活を送ることが可能になると思います。このような検査を受けた方がいいかどうか、等の相談をこのオンライン相談室ではご相談することができます。また、ご希望のある患者さんには解析結果を別途お渡しすることも検討しています。
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- メール相談のみ … 文章でやりとりします(内容によってはオンラインへご案内する場合があります)
- オンライン相談 … 御希望者はZoomで直接お話しします(希望日を第3希望まで選択)
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